小学生から続けてきた好きなスポーツ、だけど、進む中学校にその部活動がない。
という声を新人1年目(7年前)にいただき、この部活動問題について議会で取り上げてきました。
問題は深刻で、部活動を新たに設置することは難しい旨の当時の教育委員会の答弁。
授業準備やクラス対応で忙しく、教員に指導経験や熱意がないと指導者(顧問)への成り手が不足している状況。
結局、やりたい部活動を求め、実は越境入学している(していた)話も保護者から聞いてきました。
そこで、私は、いわゆる”中学校指定校変更の要件”に「部活動」を加えないか、と提案しました。
つまり、進む中学校にやりたい部活動がなくても隣区の中学校にその部活があればその中学校に行けるようにしましょうよ、というものでした。
- というのも、他の自治体では中学校を自由選択できる制度があって、
- 何を理由に中学校を選びますかの小学校高学年児童の保護者アンケートで、4つ際立って多かったのが、
◆友人関係 - ◆進学先
- ◆部活動
- ◆本人に決めさせたい
でした。
また、多摩26市で、部活動を理由に中学校の指定校変更ができる(または自由選択できる)自治体は、HP上掲載のあった24市中、18市で既に実施されていたことが調査で浮き彫りになりました。当時の資料を添付(平成30年本人調べ)
指定校変更で選んだ先の部活動が3年間続く保証をすることができない。多くの生徒が移動して生徒数のバランスが偏ってしまわないかなど、当時は教育委員会の懸念もあったと思います。
他の自治体の実績数をもとに、民族大移動のようなことにはならないことを伝えたり、生徒本人が決めることが大事であって、例えその部活動を続けられなくなったとしても誰かのせいにはしないと、根気よく議会で取り上げた結果、本市教育委員会が、令和3年度(2021)入学時から中学校指定校変更の要件に「部活動」を追加することとなりました。
- 部活動を理由に指定校変更をした生徒数、本市の実績
- 令和3年度 1人
- 令和4年度 6人
- 令和5年度 1人
- 令和6年度 6人
この制度を利用している生徒が存在し、ニーズは確かにあった。選択肢を広げていただいた教育委員会に感謝です。
ただ、この制度はいわば救済措置であって、これでニーズが満たせたとは思っていません。
直近の部活動一覧(↓)を見て分かるとおり、運動の基本である陸上部はどの中学校にもありません。(最後、一中に存在していた陸上部は前年度で廃部)
水泳部や剣道部も5校のうち1校で存在。ソフトボール部は、南中1校だけですが、昨年秋季都大会で3位という成績で、中学から始めた生徒も多いと聞きました。
現状では、「その部活やりたい!!」と思っても他の中学校に進んだ生徒は選べないのです。
他の自治体では、部活動を学校教育から切り離してまるごと地域移行(外部委託)をするニュースもあり、そもそも部活動は学校教育の中で担わなければいけないのか、というところまで議論があります。市内では部活動の地域連携の試行実施(緑中バスケ部)が始まりました。この機に、現行の部活動の在り方(考え方)も”同時に”見直していくべきと教育委員会に対して主張しています。
例えば、本市より広い市域である八王子市で既に行っている「拠点校方式」の部活動。これは、違う中学校に通っている生徒でも放課後・週末に拠点となる中学校の部活動に参加できる仕組み。
部員が少なくなって廃部の危機に瀕している部活動の存続をその中学校だけで必死に考えるのではなく、1校だけでも部活動の拠点校化がされれば、その部活動をやりたい生徒が市内どこの中学校にいても参加できることになります。よりコンパクトな市域の小金井市なら可能ではないか、と考えます。
ただ、拠点校方式には、学校間の移動や保険、連絡体制など検討課題が多いのも事実。だからこそ、週末の地域連携(地域移行)を試行実施していく中で、他の中学校の生徒も参加可能にして課題の洗い出しをしないか、提案をしています。
どこかの中学校に1つ拠点となる部活動があれば、市内どこに住んでいても入部できる。そしてその先には、生徒のニーズに応じた新規の部活動設置や廃部になった部活動を復活させることだって夢でなくなると考えます。
みんなの”好き”が出来るまちへ、これからも地道に取り組んでいきます。